抄録
ニトロソベンゼン存在下にAIBNを開始剤とする各種ビニルモノマーの重合をベンゼン溶液中60℃で行ない, ニトロソベンビンの重合禁止作用をそのラジカル捕捉効果とモノマーとの反応性から検討した. その結果, アクリル酸メチルと酢酸ビニルはニトロソベンゼンとは反応せず, 禁止時間から求めたニトロソベンゼンの消費速度は開始剤ラジカルとの反応から求めた消費速度とよく一致した. 禁止時間後の重合速度はアクリル酸メチルの場合禁止剤無添加の場合と一致したが, 酢酸ビニルの場合は低下する傾向が見られた. アクリロニトリルはニトロソベンゼンとの反応性が上記のモノマーに比べてわずかに大きいにもかかわらず, 禁止時間は低モノマー濃度では理論値と比較的よい一致を示すが, 高モノマー濃度ではニトロソベンゼンとの反応の寄与が大きくなるため禁止時間と禁止剤濃度との間には直線関係は認められなかった. メタクリル酸メチルはモノマーとの反応性は非常に大きいため禁止時間は予想される値よりも著しく短くなった.