高分子化學
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ポリビニルアルコール (PVA) とポリ酢酸ビニル (PVAc) のブロック, グラフト共重合体の粘弾性的挙動
長野 正満加藤 義夫
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1971 年 28 巻 310 号 p. 116-122

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抄録
PVA-PVAcのブロック, グラフト共重合体フィルムの粘弾性, ガラス点, 強伸度を測定し, PVAcの相がこれらの性質に及ぼす影響を研究した結果は次のようである.
a) 熱処理PVAフィルムの高酢化物のブロック重合体の弾性率は簡単な直列型の力学モデルでされる. すなわちこの系の複素弾性率Eは次式で表示された.
ここで, φはPVAcの容積分率, EA, EBはそれぞれPVAc, PVAの複素弾性率である.
b) 低酢化度の熱処理PVAフィルムの再編成ブロック重合体の弾性率は上記と同様の直列型力学モデルで示されるが, 酢化度が上昇するとPVA, PVAcの相分離が減少した.
c) PVA-PVAcのブロック, ランダム共重合物のE″の最大値を示す温度は酢化度によって変化しないが, PVAに対するPVAcのグラフト重合体ではE″の最大値を示す温度が高温側に移動した. この現象の原因はPVAに対するPVAcの橋かけ結合によるものと推定した.
d) PVA-PVAcブロック体の降伏点は酢化度とともに減少するが, 伸度は酢化度20~30%の時最大値を示す. PVA-PVAcのグラフト体ではその降伏点はグラフト率の上昇で変化しないが, 伸度はグラフト率の増加で急激に減少した.
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