シンナミルメタクリレートを合成し, BPOを用いて60℃にてラジカル重合を, またn-BuLiを用いて-78℃にてアニオン重合をそれぞれトルエン中で行なった. 生成ポリマーの赤外吸収スペクトルおよび残存二重結合量の各分析結果から, ラジカル重合物ではラクトン環の形成を伴い環化重合の起こっていることが明らかとなった. そのときのビニル生長速度定数kpと環化速度定数kcとの比kp/kcは約9mol-1・lと得られた. 一方, アニオン重合物では, まったく環形成は認められず, MMA (M1) -シンナミルメタクリレート (M2) 系のアニオン共重合を行なった結果, モノマー反応性比はMayo-Lewis式を用いてr1=0.80±0.13, r2=1.10±0.15と得られた.