高分子化學
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環状オレフィン類の重合に関する研究
第7報1, 3-シクロオクタジエンと無水マレイン酸の共重合および1, 3-シクロオクタジエン, 無水マレイン酸およびアクリロニトリルの三元共重合
山口 格長井 勝利
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1971 年 28 巻 317 号 p. 725-730,770

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抄録

1, 3-シクロオクタジエン (1, 3-COD) は無水マレイン酸 (MAn) といわゆるDids-Alderタイプの付加反応せず, ラジカル開始剤により共重合し, 1:1組成の白色粉末で, アセトン, 無水酢酸, DMFなどに可溶な交互共重合体を与える。
共重合速度は次の式で示される。
Rp=k[AIBN]0.8[T]1.8
[T]=[1, 3-COD]+[MAn](ただし [1, 3-COD]=[MAn])
全活性化エネルギー: 22.7kcal/mol
BPOの場合: Rp∝[BPO]0.7
三元共重合では生成ターポリマーの組成はつねに(1, 3-GOD・MAn)m(AN)nで表わされ, ターボリマー中の1, 3-GODとMAnは1:1組成であった。仕込の全モノマー濃度およびAN濃度を一定として, 1, 3-GODとMAnの仕込組成を変化した場合, ターポリマー中のAN含有量は [1, 3-COD]=[MAn] 近辺で最小となり, また溶媒によっても変化することが認められた。1, 3-COD-MAn錯体 (M1) とAN (M2) との共重合として三元共重合を取り扱った場合のみかけの反応性比はr1K=1.88, r2/K=0.12であった (ただしKは錯体の平衡定数)。

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