1971 年 28 巻 317 号 p. 731-738,771
種々の高分子カルボン酸の水溶液の電位差滴定曲線に及ぼす界面活性剤の影響を検討した。高分子酸としては, モノまたはジカルボン酸単位からなる単独重合物, モノカルボン酸単位を含む共重合物, およびマレイン酸単位を含む交互共重合物を用い, 界面活性剤としてはドデシルアルコール・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム・ヘキサデシルスルホン酸ナトリウムを用いた。一般に, 活性剤の添加によって, 低中和度領域におけるpH値が上昇した。これは高分子酸と活性剤との疎水性相互作用に基づくと考えられる。活性剤の影響は滴分子酸の種類によって明らかに異なる. これらの結果について, 粘度の測定結果も考慮に入れて考察した。