高分子化學
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ポリ-2-ビニルピリジン塩酸塩の固有粘度
北島 恒子
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1972 年 29 巻 327 号 p. 472-476

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抄録

ボリ-2-ビニルピリジン塩酸塩の固有粘度を, 種々の濃度の食塩水溶液中で, 分子量Mおよびイオン化度βの関数として決定し, その分子量依存性を試みに Stockmayer-Fixmanの粘度式によって解析した。これから鎖のセグメント間の近距離および遠距離相互作用のパラメーターに相当するABの値を決定した。A値は中性状態における値よりも大きく, また塩濃度Csの減少とともに増加する傾向を示した。B値はCs-1ではなくCs-1/3に比例しpair-Wise静電ポテンシャルの仮定が成立しないことが示唆された。高分子電解質鎖の広がりに関するだ円体モデル, 糸状モデル, Fussy sphereモデルなどの諸理論を, 実験結果に基づいて比較検討した。本研究の範囲では, 糸状モデル理論が実験とかなりよい一致を示した。さらに永沢らの提唱による解析を行ない, その結果について議論した。

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