1974 年 31 巻 4 号 p. 215-223
結晶化に及ぼす分子量, 分子鎖末端および共重合の影響について, 分子量分布の狭い低分子量ポリエチレンオキシドを用い, 折り畳み型結晶から伸びきり型結晶への転移に関して特に小角X線, 熱解析により研究した。
これらの低分子量ポリマーの2成分結晶化では, 伸びきり型結晶の方が折り畳み型結晶より先に生成するが, 一折型, 二折型の折り畳み型結晶では後者の方が先行して生成する。
末端をフェニル化したポリエチレンオキシドでは, 末端フェニル基が結晶格子内に取り込まれ, X線長周期は結晶化温度とともに連続的に変化することを示した。さらに, マルチブロック共重合体の場合においても, 折り畳み周期は化学構造 (この場合, 分子鎖末端) により規制される。
結晶化に伴うコンポメーションの変化が分子鎖の折り畳みに重要な役割を果していることが, これらの結果から示唆される。