2成分混合蒸気の透過実験により, 各成分の透過係数が決定され, また混合収着実験から各成分の溶解度係数が求まり, これより各成分の拡散係数が求められるが, この方法を用いて透過性の大きいpoly (γ-methyl-L-glutamatc) 皮膜による, 水-メタノールおよびメタノール-t-ブタノール混合蒸気の透過および収着を行った. 結果として混合収着の場合, 水-メタノール系では両分子間の強い親和性のために共に収着量が増加し, 一方, メタノール-t-ブタノール系では収着量は単独の場合と比較してあまり変化がなかった. 次に拡散係数については拡散の活性化エネルギーが同程度の値にある水-メタノール系では, 水の拡散がより緩やかに拡散するメタノール分子の存在によって抑制された. 一方, メタノール-t-ブタノール系では, 両分子ともポリマーを可塑化しやすい効果をもつため, それぞれの拡散係数が単独の場合より増加した.