高分子論文集
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配向ポリエチレンの1軸伸び変形における真応力-真ひずみ関係
山田 憲二高柳 素夫
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1975 年 32 巻 12 号 p. 724-732

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抄録

ロール配向ポリエチレンシートの引張り変形過程は三つのパラメーターをもつMIT式を用いて説明できた. ひずみ硬化パラメーターcは試験引張り方向に依存する. この傾向は初期延伸倍率の増加により著しくなり, c値はtie moleculeの配向に著しく依存する. 初期降伏応力σ*は試験温度の増加に伴って減少し, 融点において無視しうる値となる. 試験引張り方向θ=45°では分子軸方向に最大せん断応力が働くので, σ*は最小値をとる. 折り畳み鎖が仮説的な意味において伸び切り鎖になる極限真ひずみ値ε*は試験引張り方向と試験温度とに依存しないが, 初期延伸倍率の増加に伴って減少しtie molecule分率にのみ依存する. 各々のtie moleculeがその分担する折り畳み鎖をほどいて伸び切り鎖に変化させるという予想は, tie moleculeが無視できる単結晶マットでε*=5.5 (延伸倍率=240) という大きい数値をとることにより支持される.

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