1980 年 37 巻 4 号 p. 207-211
既に, ポリマー側鎖に結合したケイ皮酸基の光二量化反応において, ポリマーのガラス転移温度より高い温度において光を照射した場合, 光照射温度とポリマーのガラス転移温度の差の逆数と見掛けの光二量化の速度定数のアレニウスプロットは直線となることを見いだし報告した. 今回, この光二量化反応のガラス転移温度依存性をポリマーセグメントの分子運動の立場から理論的に検討した結果, 光照射温度とポリマーのガラス転移温度との差よりも更に50℃高い温度を用いるべきことが結論づけられた。この結果をもとに全反応速度の感光基濃度依存性とポリマーのガラス転移温度依存性を定量的に考察した.