高分子論文集
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ケトンポリマーおよびそのコポリマーの光分解
鉛山 洋一鷹尾 英俊藤木 正中村 賢市郎
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1980 年 37 巻 4 号 p. 261-267

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抄録

メチルビニルケトン (MVK), メチルイソプロベニルケトン (MIK), tert-ブチルビニルケトン (t-BuVK) の脂肪族ケトンポリマー, およびこれらのコポリマーの光分解について溶液中, およびフィルム状態で研究した. MVK-メタクリル酸メチル (MMA) コポリマー, MIK, t-BuVKホモポリマー, およびこれらのコポリマーの分解性はテトラヒドロフラン溶媒中酸素により減少する. しかし, MVKホモポリマー, MVK-スチレン (St), MVK-アクリル酸メチルコポリマーの分解は酸素, 窒素により変わらない. フィルム状態, 30℃でコポリマーの主鎖切断数を測定し, MIK-MMA>MVK-MMA>t-BuVK-MMA》MVK-Stの順で減少した. MVK-MMA, MIK-MMA, t-BuVK-MMA, およびMVK-Stコポリマーの光分解をフィルム状態30~90℃の範囲で調べ, 活性化エネルギーはそれぞれ5.2, 4.0, 6.3, 0kcal/molであった. MVK-MMA, MIK-MMA, t-BuVK-MMAのケトン-MMAコポリマーはNorrish Type-I反応により命解することが示された.

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© 社団法人 高分子学会
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