光感応性の高分子吸着体を設計するための基礎的知見を得る日的で, アゾ色素 (PPAn) やスピロピラン (ASP) を側鎖に有する高分子を合成し, そのフィルム上での水に対するぬれ測定から光によるフォトクロミックポリマーの疎水性変化を検討した. アゾ色素系高分子では紫外光照射によりぬれが増大し, 可視光照射または熱異性化によりぬれが元の値に回復した. この可逆的なぬれ変化は, アゾ色素がトランス体からシス体へ異性化することにより大きな双極子モーメントの変化が生じるためと考えられる. またPAAnと2-ヒドロキシエチルメタクリラートとの共重合体では, 光照射に伴うぬれの変化域が組成により異なることがわかった. スピロピラン系高分子でも光照射に伴いぬれが可逆的に変化した. この可逆的なぬれ変化はスピロピランの光イオン開裂に起因するものと考えられる.