1983 年 40 巻 3 号 p. 143-149
グラフト両性高分子電解質をポリ-4-ビニルピリジンとβ-プロピオラクトンから合成した. 5%カオリン懸濁液に対する凝集能を沈降速度, 沈降容積, そして濁度を測定することにより, ポリマーの構造との関連において研究した. 得られた結果は次のとおりである. 1) 5%カオリン懸濁液にっいての最適添加濃度は10~20μg/lであった. 2) 凝集作用についての最適グラフト率は0.7付近に存在した. 3) 凝集作用に関しての最適置換率 (イオン化率) は0.6であった. 4) グラフト鎖長の増加に伴って, 凝集作用も増加した. 5) 凝集作用についての最適のpH値は, 約5~9の領域であった. 6) 凝集効果は幹ポリマーの分子量が増加するにつれて増加した. 7) 最も良好な凝集効果は, カオリン粒子の等電点が示すpHの値のところで得られた.