高分子論文集
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懸濁重合によるN, N-ジメチルアクリルアミドゲルの調製とゲルクロマトグラフィー充てん剤としての有用性
平山 忠一山口 一記松本 和秋本里 義明
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1983 年 40 巻 7 号 p. 441-447

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抄録

N, N-ジメチルアクリルアミドとN, N′-メチレンビスアクリルアミドを安定剤を含む硫酸ナトリウム水溶液中で懸濁共重合して親水性でかつ親有機溶媒性のゲル粒子を得た. 排除限界分子量は重合時に加えられる橋かけ剤量の減少及び希釈剤量の増加とともに増加し, その最高値は88000であった. カラム中の水をメタノールで置換した後, 溶出溶媒としてメタノール, 試料としてポリエチレングリコールを用いてゲルクロマトグラフィーを行った結果, その較正曲線は水溶媒のそれと同じであった. 電導度滴定によれば, ゲル中に酸性基は含まれていない. これらのゲルは5wt%硫酸ナトリウム水溶液中で収縮しない. 以上の結果, これらのゲルは水, 塩水溶液, 有機溶媒を溶出溶媒としたゲルクロマトグラフィーに有用である.

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