抄録
分子量 (Mw) および置換度 (DS) の異なるカルボキシメチルセルロース (CMC) のガラス転移 (Tg) 近傍の熱容量 (Cp) 測定から, 乾燥状態のCMCの場合, TgはMwの影響は余り強く受けないが, DSの増加とともに約120℃から135℃まで増加することが分かった. またCpはDSの増加とともに増加し, Mwの増加とともに減少した. CMC-不凍水系の場合, Tgは水分率 (Wc) の増加とともに急激に減少し, 乾燥状態のTg約135℃からWc約0.4で-60~-85℃に減少した. またTg以下のガラス状態のCMC-不凍水系のCpはWc=0.32g/gで最小となり, 規則構造形成により乾燥状態のCMCのCpより小さくなった. さらにDSの大きいCMCほど乾燥状態のCMCのCpを超えるに要するWcは大きくなり, DSの増加とともに不凍水量 (Wnf) が増加することに対応した. 以上の結果からCMC分子は不凍水の共存により, 乾燥状態より安定した構造に変化することが分かった.