1998 年 55 巻 5 号 p. 248-254
コーンカロリメーターによるポリフェニレンエーテル (PPE) とポリスチレン (PS) アロイを中心として高分子燃焼の研究を行い, 燃焼時の高分子の分解および表面状態について考察を行った. PPEの含有量が増大するに従って発熱速度, 最大発熱速度が減少し, PPEの含有量が50 wt%以上ではPPEの含有量の影響が少なかった. コーンカロリメーターの結果と熱重量分析, UL燃焼試験, およびPPEとベンゼン環の相互作用のコンピューター・シミュレーションの研究により, PPEの含有量の少ないときにはPPEとコンプレックスをつくらないPSが材料全体の燃焼を支配し, PPEの含有量がPSに対して1/2以上になるとPSの高分子鎖はPPEとコンプレックスをつくりPPEの燃焼挙動が材料全体を支配すると考えられた.