2000 年 57 巻 4 号 p. 244-250
単分散コロイダルシリカの2段修飾法によるポリマー電解質を表面に結合した複合粒子の調製と, ゼータ電位の制御について調べた. そのシリカ複合粒子はコロイダルシリカをポリ (無水マレイン酸-スチレン) で1次修飾し, 次いでトリフェニルポスホニウム基またはトリメチルアンモニウム基をもつアミノ基末端-ポリスチレンの結合によって調製した. このコロイダルシリカの2段修飾法によって, エタノールまたはアセトニトリル中で負から正にわたるゼータ電位 (-110~+72mV) の制御が可能であった. エタノール中でのポリマー修飾シリカコロイド粒子のゼータ電位は, 塩の添加によって極大値を示すという特異的な現象が現れた. この現象は, 塩添加による表面電解質ポリマー鎖の収縮に基づく表面電荷密度の増大とデバイ長減少作用の加成効果として説明された.