2016 年 34 巻 p. 1-7
要 旨
本研究では3つの専攻に所属する女子短大生を対象に対人距離テストを行い、相手との親密性の要因について検討した。対人距離テストは、投影的方法により、紙面上で、親密性の低い相手(同年齢の見知らぬ男性または女性)、または親密性の高い相手(恋人、親友、父親、母親)に対面して会話する場面で、相手と最も居心地の良い距離を記してもらい、参加者自身と相手との間の距離を測定して対人距離スコアーとした。その結果、対人距離スコアーは、Ⅱ回生においては、全体として、親密性の高い相手との距離が、親密性の低い相手との距離よりも小さく、相手が恋人≒親友≪母親≒同年齢の女性≪父親≒同年齢の男性の順に有意に近く、親密性の要因の影響が明らかになった。母親との対人距離は父親よりも近く、親密性が低い相手においても、女性との対人距離は男性よりも近かった。これらの結果から、対人距離が親密性の要因に規定され、女子短大生が心理的離乳の過程において、親友や恋人に心を準拠させながら、最も身近で親密であった両親への依存から脱して、分離し自立していく発達的変化に影響を受ける様相が示唆された。