ことば
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個人研究
大正ロマンの生んだフェミニスト:山田わか・嘉吉の協働と思想(その9)
斎藤 理香
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2018 年 39 巻 p. 124-137

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抄録

山田わか(1879–1957)は、日本最初の女性による「文学雑誌」と、かっこ(「」)付きで紹介されることのある『青鞜』(1911–1916)で翻訳や文学作品を発表し、後に婦人問題評論家としての地位を築いていった。今回は、その執筆活動の最初の頃に、わかが同じ『青鞜』に掲載した短い小説「田草とり」(1914年4号)、「女郎花」(1914年12号)、「虎さん」(1915年2号)を紹介する。これらの作品は、女性の自己決定を阻む問題に深く切り込み、時代を超えて読み継がれる力をもつキャラクターを描いた作品とは言えず、また人物像や状況の書き込み不足もうかがわれる。小説はわかの本領を発揮する分野ではなく、その後に書かれたエッセーや評論へとつながる発展への一段階という役割を担ったと捉えられる。

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