明治期の介護・看護を表す語としては、「看護」「看侍」「介輔」「介抱」「看病」「介助」「みとり」「介護」が使われた。この中で、「看侍」「介輔」は教科書で多く使われたが、一般の用語としてはほとんど使われなかった。「介助」が教科書で1例のみ、「介護」は看護関連の書籍には登場せず、恩給の法律の中では使われていて、国語辞書に採録されたのは1970年代である。
介護・看護をする人の呼称としては、「看護人」「看護者」「看護婦」「看病人」「看病婦」「介抱人」の6語が抽出できた。明治初期は「看護人」「看護者」「看病人」「看病婦」が使われ、「看護婦」の語の登場はこれらより遅い。中期以降は「看病婦」と「看護婦」が並行して使われ、明治期後半からは「看護婦」に集約された。
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