2021 年 42 巻 p. 21-38
映画『何者』などで男子大学生どうしの親密さを表すものとして、中性化しないいわば「男性特有」の話し方(形式)が存在する。このような話し方が自然談話ではどのように現れるかを『談話資料・日常生活のことば』において検討した。その結果、全体では1/5程度の男性話者がこのような話し方をしていること、特に20代と60・70代にめだつことがわかった。その理由は対話の相手との関係(親しさなど)によると考えられる。また、特に高年代では使用のバリエーションや現れ方が多様で、映画に現れる高年代の男性のことばや話し方とは必ずしも同じようではないということもわかった。