ことば
Online ISSN : 2424-2098
Print ISSN : 0389-4878
個人研究
「寿岳日記」の今日的意義
―その文章的価値と女専時代の思惟をめぐって―
遠藤 織枝
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 42 巻 p. 251-268

詳細
抄録

2019年秋に借用できた寿岳章子さんの9冊の日記帳について、その文章面での特徴と女子専門学校(以下「女専」)時代の日記の内容を報告する。文章は初期の長文のものから簡潔なものに移り、自然描写は美しく、社会・世相は躍動的に描かれる。比喩、オノマトペなど自由闊達な表現が各所にみられる。女専時代の日記からは、読書の考察の深さ、本人が後に言う「言葉も出なくなる程」凄絶だった受験勉強の実際、女学生時代とは変化した戦争観などが読み取れる。

著者関連情報
© 2021 現代日本語研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top