2015 年 58 巻 p. 57-64
鉄道貨物輸送は、道路輸送と比較して重量貨物輸送に適しており、長距離輸送では単位あたり輸送費用が低く環境負荷も小さい。しかし、鉄道貨物輸送量の多い国は限られており、道路輸送に依存する傾向は開発途上国においても顕著である。本研究では、開発途上国の鉄道貨物輸送の実態を地域別に把握すると共に、包絡分析法(DEA)を用いて鉄道貨物輸送の効率性を国別に評価し、輸送運営面、政策面、地理的要因から詳細な比較分析をした。その結果、鉄道整備に対する政府の投資、民営化による資本投入、隣国や港湾との接続性強化などが効率性に良い影響を与えていることが明らかになった。