熊本県理学療法アドバンス
Online ISSN : 2759-3096
非対称性歩行を呈した変形性股関節症例に対する Split-Belt Treadmill介入の経験:転倒恐怖感に着目して
下田 翔大立石 貴樹藤井 廉千手 佑樹
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2025 年 2 巻 p. 33-

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抄録

 人工股関節置換術(THA)術後の大腿神経麻痺は下肢筋力低下を引き起こし,歩幅の非対称性といった歩行障害が生じることが報告されている.一方,歩行能力の低下には転倒恐怖感(Fear of falling;FoF)も関与していることが言われており,本症例においてもFoFを示唆する発言が聞かれ,歩行非対称を助長していると考えた.この歩行非対称を無意識的に改善する介入としてSplit Belt Treadmill(SBT)がある.そこで,FoFを伴うTHA術後の大腿神経麻痺によって生じた歩幅の非対称性に対してSBTを実施した.その結果,歩幅の非対称性,歩行速度,歩行距離,FoFの改善を認めた.本症例においては,SBT介入がFoFによる代償歩行の増悪を抑制しながら,歩行の非対称性を軽減し歩行能力が改善したことでFoFが軽減したと推察される.したがって,大腿神経麻痺による歩幅の非対称性とFoFを生じた症例に対するSBT介入は有効であることが示唆された.

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