フォーラム現代社会学
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特集Ⅱ 質的調査のアーカイブ化の問題と可能性
大学研究室所蔵の社会調査報告書のデータベース化の諸問題
森本 一彦
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2014 年 13 巻 p. 125-132

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抄録

質的調査によって収集されたデータの公開・共有の問題について、京都大学社会学研究室において保管されている村落調査報告書のデータベース化を事例として検討する。社会学研究室には1947年〜1971年にわたる449冊の村落調査報告書が保管されている。それらは地域調査の基礎資料や社会調査史の研究資料として重要であると考えられたために、データベース化を実施した。しかし、データベース化や最終的公開の方法についてどのようにするべきかなどの検討課題が多く生じた。公開については、著作権や肖像権の問題があり、利用規定やデータベースのシステムにおける制限をどのようにするかという問題が生じた。これらの問題への対処を紹介することを通して、大学研究室で保管されている資料をどのように公開すべきなのかを検討する。

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© 2014 関西社会学会
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