関東東山病害虫研究会報
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病害の部
イチゴ小葉を用いたイチゴ炭疽病菌の簡易病原性判定法
鈴木 健田中 千華吉田 菜々子植松 清次
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2010 年 2010 巻 57 号 p. 31-34

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抄録

イチゴ小葉にイチゴ炭疽病菌を接種し,病斑形成の有無から炭疽病菌の病原性を判定する方法の開発のために,分生子の接種による葉位別の発病程度と接種源滴下後の風乾処理による病斑形成促進効果を検討した。病原菌を接種したイチゴ小葉の反応は,葉位の違いが大きく影響した。若い葉を使用した場合は弱病原性菌にも反応し,古葉を使用した場合は葉の黄化や黒変腐敗が激しく検査が困難であった。これに対し,展開葉第3葉を用いた場合に安定した結果が得られた。また,接種源滴下後の風乾処理により,小葉の病斑形成は促進され,判定に要する日数が7~12日程度短縮できた。以上のことから,イチゴ小葉を使用した簡易病原性検定には,生育の揃ったイチゴ苗の第3葉前後の充実した展開葉を使用すること,接種源を滴下後に風乾処理を行うことで,病原性を簡易に判定することができる。

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© 2010 関東東山病害虫研究会
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