関東東山病害虫研究会報
Online ISSN : 1884-2879
Print ISSN : 1347-1899
ISSN-L : 1347-1899
病害の部
ELISA法によるコムギおよびオオムギに発生する4種菌媒介性ウイルスの血清学的診断法の開発
根津 修大木 健広小島 久代小田 俊介青木 恵美子吉岡 藤治柳澤 貴司石川 浩一笹谷 孝英
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 2011 巻 58 号 p. 13-17

詳細
抄録
コムギおよびオオムギに発生する4種菌媒介性ウイルス (WYMV, SBWMV, BaYMVおよびBaMMV) を特異的に検出するためのELISA法を開発した。まず,これら4種のウイルスに対する1次抗体 (IgG) の至適濃度および2次抗体 (酵素標識抗体) の至適希釈倍率を検討したところ,1次抗体としてのIgGの至適濃度は0.25-1.0μg/ml,1次抗体としての酵素標識抗体の至適希釈倍率は1,600-5,000倍であった。また,これらの条件での病葉内のウイルスの検出感度は,コムギではSBWMVは5,000倍まで,WYMVが1,000倍まで陽性反応を確認できた。また,オオムギではSBWMVが5,000倍まで,BaYMVが1,000倍まで,BaMMVが500倍まで陽性反応を確認でき,コムギとオオムギで共に高感度にこれらウイルスを検出することが可能であった。さらに,本法を用いて7種類のコムギ品種および8種類のオオムギ品種から各ウイルスの検出を試みた。その結果,それぞれの品種で特異的にウイルスを検出可能であり,混合感染の場合であってもそれぞれのウイルスを特異的に検出することが可能であった。
著者関連情報
© 2011 関東東山病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top