抄録
晩植栽培された5品種・系統の飼料イネにおけるイチモンジセセリ幼虫発生量とツト数を調査した結果,防除適期と考えられる7月下旬の調査では品種間に発生量の差が検出されなかったが,8月中旬の調査では「関東飼糯254号」のツト数や幼虫数が有意に多く,「ホシアオバ」でも多い傾向が見られた。このうち2品種・系統について防除区と無防除区を設けて幼虫発生数とイネ乾物重を調査した結果,無防除区では最大0.76頭/株の幼虫が発生したが,防除区と無防除区の間で乾物重の差は見られず,この幼虫密度では減収しないと推測された。