抄録
2012年に栃木県内のイチゴ,ナス,ナシ,キクの各圃場から採集したナミハダニ14個体群に対して,雌成虫を対象に7剤,卵を対象に9剤を用いて,直接散布法で殺虫効果を調査した。その結果,雌成虫に対してはビフェナゼート,プロチオホスが高い殺虫効果を示した。次いでエマメクチン安息香酸塩,ミルベメクチン,アセキノシル,シフルメトフェンおよびシエノピラフェンの順に効果が認められたが,何れの薬剤も複数の個体群に対し殺虫効果が低かった。殺卵試験では,アセキノシル,スピロメシフェンは全ての個体群に,シエノピラフェン,プロチオホスは大半の個体群に対し高い効果を示した。シフルメトフェン,ミルベメクチン,テトラジホンでは殺卵効果の低い個体群が複数みられ,ビフェナゼート,エマメクチン安息香酸塩は全体的に効果が低かった。