抄録
地下水位制御が可能な圃場で,地下水位を30cmに制御した圃場と制御していない圃場で広畦耕起,狭畦不耕起で2009~2012年にダイズを播種し,立枯性病害 (茎疫病,白絹病,黒根腐病) の発生状況を調査した。播種時耕起法との関係では茎疫病は狭畦不耕起播種で多く発生した。一方, 白絹病の発生は狭畦不耕起播種で少なく,広畦耕起播種で多かった。広畦耕起播種は中耕培土前でも白絹病が多く,播種時の耕起によってもたらされた土壌環境が白絹病の発生に好適であったと考えられる。これらのことから,白絹病の抑制に狭畦不耕起播種が有効である可能性が示された。不耕起播種と耕起播種間の白絹病の罹病株率の差は,地下水位制御圃場でやや小さくなる事例が認められた。