2015 年 2015 巻 62 号 p. 106-109
山梨県のルクリア生産ほ場で新梢や側枝,主幹部に褐変を生じ,枝や樹体が枯死する症状が多発し問題となっていた。罹病部から高率に分離された糸状菌を用いて接種試験を行ったところ,症状が再現されるとともに発症部から同一の菌が再分離された。本菌の形態学的特徴や生育温度及びrDNA -ITS領域の塩基配列からPhoma exigua Desmazièresと同定し,本病をルクリア枝枯病とした。本病の第1次伝染源について調査したところ,樹体上で越冬し第1次伝染源となる可能性が示唆された。特に,生長点の切除部分に高い頻度で感染していることが明らかとなった。