2016 年 2016 巻 63 号 p. 14-17
コムギ黒節病の防除対策技術を構築するため,防除試験を2年間行った。1年目は生育期後半の薬剤散布による防除効果の検討を行った。止め葉抽出期以降に複数回の薬剤散布を行うことで病徴の発現を抑制できたが,採取した種子の保菌粒率低減効果は十分でないことが示された。2年目は本病に有効な種子消毒と出穂期前後の薬剤散布による防除効果を検討した。金属銀水和剤の湿粉衣による種子消毒と,止め葉抽出期以降の銅水和剤の3回散布を組み合わせる防除体系により,本病の病徴発現を抑制し,種子の保菌粒率を大きく低減できることが明らかとなった。