2016 年 2016 巻 63 号 p. 56-59
タバコカスミカメNesidiocoris tenuis (Reuter) の成虫に対するトマトの育苗期または定植時処理殺虫剤の影響をポット試験により冬期と夏期の2回検討した。ネオニコチノイド系粒剤のジノテフラン,クロチアニジン,ニテンピラム,アセタミプリドでは補正死亡率50%以下に低下する期間は,冬期で28~50日以上,夏期で35日程度であった。一方,ホスチアゼートは冬期,夏期両方の試験において補正死亡率は低く,処理直後からタバコカスミカメを放飼可能と考えられた。また,スピロテトラマトとクロラントラニリプロールについては,夏期試験のみの結果であるが補正死亡率は最大でも50%以下であり,処理直後から本天敵を放飼可能と考えられた。