2017 年 2017 巻 64 号 p. 73-76
ヒメトビウンカ第1世代成虫の水田への飛来時期から第2世代幼虫発生時期にあたる2016年6月6日,14日,20日,27日のいずれかに,シラフルオフェン乳剤を散布し,イネ縞葉枯病の発病抑制に有効な散布時期を検討した。 その結果,幼虫発生盛期の始期である6月20日散布区では散布後に速やかに幼虫数が減少し,発病抑制効果が最も高かった。また,成虫発生盛期の中期かつ幼虫発生開始期である6月14日散布区においても散布後の幼虫数が少なく推移し,発病抑制効果が高かった。このことから,本病の発病抑制のためのヒメトビウンカに対する本剤の本田散布による防除適期は第2世代幼虫発生開始期から幼虫発生盛期の始期であると考えられた。また,吸い取り調査による第2世代幼虫の齢期別発生時期と有効積算温度を用いて2016年の気温から計算した発生時期を比較したところ,1~4齢幼虫の発生時期は概ね一致しており,有効積算温度を用いて本田散布の防除適期を予測する方法を検討した結果,予測産卵最盛日から1週間程度が防除適期と考えられた。