関東東山病害虫研究会報
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特別講演
私達の線虫研究の歩み-IPM 研究と防除手段30年の転変-
水久保 隆之
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2018 年 2018 巻 65 号 p. 1-13

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抄録

演者が在籍した農研センターには抵抗性育種支援,輪作体系,対抗植物の探索・利用,熱水土壌消毒,寄生性糸状菌,捕獲性糸状菌,絶対寄生菌のパスツーリア菌等微生物資材にかかる技術開発研究の歴史があった。この組織の経験を継承して演者らが取り組んだIPM技術開発研究を紹介した。これらは,アーバスキュラー菌根菌,メチオニン,発酵羽毛分解物,非病原性フザリウム菌,弱毒ウイルスなどの新素材をメニューとし,農水省のIPMプロジェクト,生物機能プロジェクト,高度化事業,実用事業(それぞれ略称)等を通じて実施された。また,演者が都道府県と農林水産省の協力を得て1999年および2012年に実施した全国規模の線虫防除技術の動向調査結果から,トマト,メロン,イチゴ,キクの生産現場が過去33年間に経験した線虫防除の個別技術の盛衰を化学的,耕種的,生物的,物理的防除技術にわたり概観した。

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© 2018 関東東山病害虫研究会
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