2018 年 2018 巻 65 号 p. 14-15
イネいもち病菌のQoI剤耐性菌(以下,耐性菌)は,近年,西日本や東北地方で発生が拡大している。栃木県では,2016年に行った耐性菌発生状況調査において,35検体中1検体(26ほ場中1ほ場)で耐性菌が初めて検出された。2017年に地点を増やして調査を行った結果,154検体中11検体(86ほ場中5ほ場)で耐性菌が検出された。 2017年までの栃木県の耐性菌の発生は一部地域に限定され,全県の分離率としては低かった。しかし,育苗箱処理剤を今後も連用した場合には発生拡大する可能性が高いと考えられたことから,栃木県のQoI剤の使用にあたっては,QoI剤を含む育苗箱処理剤の使用を中止し,本田防除では使用を最大年1回にすることとした。