関東東山病害虫研究会報
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畑作物・野菜の虫害
ナケルクロアブラバチおよびコレマンアブラバチのバンカー型製剤を利用したイチゴのアブラムシ類防除
小林 誠大野 茉莉西村 浩志福田 充
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2018 年 2018 巻 65 号 p. 87-90

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抄録

イチゴにおいて,ナケルクロアブラバチとコレマンアブラバチの2種アブラバチを利用したバンカー型製剤を簡易給水装置で維持した場合のチューリップヒゲナガアブラムシ,ワタアブラムシに対する防除効果について検討した。有効成分としてナケルクロアブラバチ,コレマンアブラバチ羽化成虫各1頭/m2以上が含まれる2種アブラバチのバンカー型製剤を3回設置した処理区におけるチューリップヒゲナガアブラムシの密度は設置56日後から,無処理区と比べて34.8%,34.6%,33.3%となり,防除効果が認められた。また,ワタアブラムシの密度指数はすべての調査日で10以下と低く,防除効果が認められた。以上から,2種アブラバチのバンカー型製剤3回設置は,イチゴのチューリップヒゲナガアブラムシとワタアブラムシ防除に対して実用性があると考えられた。また,簡易給水装置の給水間隔および合計給水回数の平均値は9.0日,13.0回であった。

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© 2018 関東東山病害虫研究会
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