2019 年 2019 巻 66 号 p. 25-27
群馬県の西部地域におけるコンニャク根腐病の多発要因を解明するために,生産者へ耕種概要と防除履歴を聞き取り調査し,その結果を一般化線形モデルで解析した。生育中の殺菌剤の散布の有無ついては,回帰係数の推定値は-2.58であった。そこで,生育中の殺菌剤散布について発病状況との関係を検証した結果,殺菌剤を生育期間中に散布しなかった89.7%の生産者は,発病状況が「多い」であったが,何らかの殺菌剤を散布した生産者では54.5%にとどまり,発病程度を低く抑えられる可能性が示唆された。また,クロルピクリン剤以外の土壌くん蒸剤を使用している場合に,回帰係数の推定値が-4.10となったが,使用者が2名のみであり,基準カテゴリであるクロルピクリン剤との比較はできなかった。生産者の居住地,土壌くん蒸剤の時期,ムギ被覆については,最も当てはまりの良いとされるモデルには含まれず,発病に及ぼす影響は少ないと考えられた。