2019 年 2019 巻 66 号 p. 22-24
千葉県では,春夏どり栽培でニンジン乾腐病が発生し,問題となっている。そのため,生産者はその発生が少ない品種を選択する必要がある。しかし,近年の品種を対象に発生の差異を調べた事例はない。そこで,2017年と2018年に船橋市の乾腐病発生圃場で5~6品種を供試し,裂根としみ症発生の品種間差異を調査した。その結果,これらの発生は2か年ともに「ベーターリッチ」で多い傾向であった。一方「TCH-711」ではしみ症の発生が少なかった。このしみ症部位の大半から乾腐病菌が分離され,これらの品種間差異は,主に乾腐病に対する感受性の違いによるものと考えられた。