2019 年 2019 巻 66 号 p. 85-86
川崎市におけるミナミキイロアザミウマの殺虫剤抵抗性の現状を把握するため,同市内5地点の露地栽培キュウリから採集した成虫を対象として,ネオニコチノイド系殺虫剤に対する感受性を調査した。明治大学の圃場において採集した個体群では,ジノテフラン水溶剤に対する感受性が高かった。一方,現地の生産圃場から採集した4個体群では,ジノテフラン水溶剤およびアセタミプリド水溶剤に対する感受性が著しく低かった。この結果から,川崎市内の生産圃場ではネオニコチノイド系殺虫剤に対する抵抗性が発達していることが明らかとなり,殺虫剤に依存しない防除体系の導入が必要と考えられた。