関東東山病害虫研究会報
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(花卉・花木・樹木の病害)
Pythium aphanidermatumによるケイトウピシウム立枯病(新称)の発生
折原 紀子 西村 武祥植草 秀敏堀江 博道廣岡 裕吏
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2020 年 67 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

2017年8月,神奈川県平塚市の鉢花生産地で鉢もの販売用に栽培されていたケイトウ(Celosia cristata)において,未記録の障害が多発した。地際茎および根が水浸状に腐敗,株が立枯れ,やがて倒伏枯死する。病斑からはPythium属菌が高率に分離され,分離菌の接種によりケイトウに原病徴が再現され,接種菌が再分離された。分離菌の形態,生育温度特性,ITSおよびCOI領域による分子系統樹ならびにCOII領域の塩基配列の相同性などを精査し,分離菌をPythium aphanidermatum(Edson)Fitzpatrikと同定した。本菌によるケイトウの病害は本邦では未記録であることから,ケイトウピシウム立枯病(Pythium blight)と命名することを提案する。

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