2021 年 68 巻 1 号 p. 5-9
2019 年 8 〜 9 月,東京都多摩地域のパプリカ(Capsicum annuum)施設圃場において,茎部が褐変し,症状が激しいものは先端部が萎凋する症状が認められた。茎の症状部位から分離された糸状菌を,パプリカ苗に接種したところ原病徴が再現され,接種菌が再分離された。そこで分離菌の形態的特徴の観察および分子同定を行ったところ,Neocosmospora ipomoeae(異名:Haematonectria ipomoeae)であることが明らかとなった。本菌は,ナス科 5 種 12 品種に病原性が認められ,パプリカに使用可能な 4 種の薬剤は,効果は認められるもののその程度は低かった。