1999 年 1999 巻 46 号 p. 137-140
1998年10月から1999年4月にかけて神奈川県のボタン, シャクヤクのイチゴセンチュウ Aphelenchoides fragariae (Ritzema Bos) Christie による被害状況を調査した。10月~11月にはボタンの芽に外観上の異常は観察されなかったが, 1月には頂芽の肥大の悪いものが認められた。芽内部の生長点部分には1月下旬にえ死が認められ, 3月には発育せずに変色し, その後枯死した。発芽したものもあったが萎縮症状を呈しており, 5月~6月には立枯れた。イチゴセンチュウは外観上健全の芽から10月下旬に検出され, 11月~2月には多数検出されたが2月下旬には検出されなくなった。シャクヤクでは葉枯線虫病症状葉を10月に確認し, 多数の本線虫を検出した。1~3月にシャクヤクの外観健全な新芽から本線虫を検出した。開花前に蕾が黒変して内部組織のえ死が認められ,本線虫が検出された。