2003 年 2003 巻 50 号 p. 131-134
出穂期を変えた複数のイタリアンライグラス圃場におけるクモヘリカメムシとホソハリカメムシの越冬成虫の飛来動態を, 2002年につくば市において調査した。クモヘリカメムシは6月下旬に出穂したイタリアンライグラスにのみ7月上旬に飛来し, 個体数増加の明瞭なピークが観察された。ホソハリカメムシは5月中旬にはすでに圃場内に飛来していたが, 幼虫の発生は6月下旬からみられた。クモヘリカメムシ越冬成虫の飛来時期の斉一性は, 次世代発生のピーク予測を精度よく行える可能性を示唆している。