抄録
メロン果肉の劣化とメロンえそ斑点ウイルス (MNSV) 感染との関係を検討した。葉に病徴が認められた株の果実 (発病株由来果実) と病徴が認められない株の果実 (健全株由来果実) の糖度を比較したところ, 発病株由来果実の糖度は, 健全株由来果実に比べ1.5度程度低く, 外観上健全な果実でも糖度の低下が見られた。また, 発病株由来果実のウイルス濃度を症状別に調べたところ, 無症状の部位からはほとんどウイルスが検出されないが, 空洞及びスポンジ症部位からは高濃度にウイルスが検出され, これら症状はウイルスの増殖による可能性が認められた。以上より, 果肉劣化や糖度の低下は, MNSVの感染により引き起こされるものと考えられた。