2006 年 2006 巻 53 号 p. 119-122
山梨県における夏秋ナスほ場において, 近年発生が多くなっているタバコガ類の発生消長と被害実態を1996年~2005年に調査した。フェロモントラップへの年間総誘殺数は, 甲府盆地東部の夏秋ナスほ場では, タバコガは調査年次を通して500頭以下であり, 年次変動は小さかった。一方, オオタバコガは2000年までは1000頭以下であったが, 2001年以降増加し, 2003年では2500頭と急増した。フェロモントラップの誘殺消長からオオタバコガの近年の発生回数は年間5回と考えられた。オオタバコガによる被害果の発生は, 越冬世代成虫のフェロモントラップへの誘殺ピーク後の5月下旬から見られ, その後第1世代成虫の誘殺が始まるとともに, 7月上中旬以降被害果が増加した。被害果の発生は10月上旬まで続き, さらに成虫のフェロモントラップへの誘殺は11月上旬まで続いた。