2007 年 2007 巻 54 号 p. 13-17
近年, 千葉県で発病が増えているサツマイモつる割病の発病要因を調査する手法として, 本病に対する土壌汚染程度の簡易検定法を開発した。その方法は, 検定土壌を詰めた小カップに, 感受性品種「ベニコマチ」の傷処理苗 (茎基部を縦半分に切断, 除去した苗) を植付け, カップを発病適温 (30℃) に設定した土壌恒温槽に設置し, 4週間以後の発病程度で評価するものである。本検定法を用いて, つる割病が発病したハウス内育苗床に対する夏季の太陽熱処理による防除効果を調査した結果, 供試株の発病程度は処理前に比べて処理後土壌で明らかに低くなり, 太陽熱処理によって土壌の汚染程度は低下したものと推察された。また, 上記ハウスにおける次作の育苗時につる割病の発病は見られなかったことから, 本検定法の実用性が示された。