2007 年 2007 巻 54 号 p. 99-104
千葉県北部の香取市および隣接する茨城県稲敷市における雑草地および水田で, 2006年5月から11月まで斑点米カメムシ類の発生消長を調査した。雑草地ではアカスジカスミカメ, アカヒゲホソミドリカスミカメ, フタトゲムギカスミカメ, ホソハリカメムシおよびクモヘリカメムシが捕獲された。この中ではアカスジカスミカメが優占種であり, 成虫および幼虫は5月から11月まで捕獲された。この間, すくい取り虫数はイネ科雑草の生長に伴って増加し, 雑草が枯れ始めると減少した。雑草地に隣接する水田では, 出穂に伴って本種成虫が捕獲されたが, 出穂期から約2週間で捕獲されなくなった。また, 水田で本種幼虫は捕獲されなかった。水田周辺において本種の発生量が極めて多いことから, 斑点米発生の原因になる可能性が示唆された。