関東東山病害虫研究会報
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RT-LAMP法によるキュウリ黄化えそウイルス (MYSV) の検出
桑原 克也酒井 宏
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2008 年 2008 巻 55 号 p. 7-10

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抄録

群馬県平坦地を中心に施設キュウリにおいて, キュウリ黄化えそ病の発生が確認されている。現地では, 迅速な診断による防除対策が求められているため, RT-LAMP法を用いたキュウリ黄化えそ病の病原ウイルスMYSVの検出を試みた。MYSVのヌクレオキャプシドタンパク質 (N) 遺伝子の塩基配列からLAMPプライマーを設計し, MYSV感染キュウリの葉から抽出したRNAを鋳型として, RT-LAMP反応を行った結果, 電気泳動および蛍光・目視検出試薬 (栄研化学) の添加による発光反応により増幅産物を確認することができた。さらに, RT-PCR法と比較したところ検出感度が高く, RNA抽出作業を行うことなくMYSV感染葉磨砕液から直接MYSVの検出が可能であった。このことから, RT-LAMP法を用いることで, 現場の指導機関等での高感度かつ迅速なMYSV診断に活用できる。

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