教育学研究
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論文
下中弥三郎における生命主義教育論
デモクラシーとファシズムの〈間〉
伊東 順真
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2021 年 88 巻 3 号 p. 394-405

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抄録

本稿は大正新教育の旗手として活躍後、1932年頃を境に全体主義者へと変節した下中弥三郎の生命言説を検討したものである。下中は大正デモクラシー期から昭和ファシズム期にかけて一貫して「生命」という言葉を多用し、生命主義者さえを自認していたが、このことはあまり知られていない。子どもの生命を教育の根幹に据えていた下中が国家的生命の扶翼と拡大を唱えるに至った歴史的契機を明らかにし、その生命主義教育論の陥穽について論じる。

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© 2021 一般社団法人日本教育学会
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